ここは僕個人の「Nowページ」です。ひさしぶりに会った友人に近況を報告するような心持ちで書かれており、気まぐれで不定期に更新されます。X(旧Twitter)をはじめとする各種SNSにはほぼ触れていないので、その代替として捉えていただければ。
アフリカの小国・マラウイは、北部・ムズズ市にて
アフリカ南東、世界最貧国のひとつ・マラウイでの1年間にわたるフィールドワークが7月に終了した。そこで目の当たりにしたのは、西側諸国でのトレンドをコピペしたような、付け焼き刃的で持続性のない国際開発の実態であった。現地のコンテクストを正しく理解し、多様なステークホルダー間でのコミュニケーション (Communication)、調整 (Coordination)、協調 (Collaboration) を通して適応的にアプローチする「手触り感」のある取り組みが、極めて少ないのだ。環境、ジェンダー、紛争、貧困などは、比較的多くの人が具体例を伴って議論しやすいテーマであるようだ。一方で、ネットワーク、データ、AI、ロボティクス、ブロックチェーンといった情報技術に話が及んだ途端、皆が一様に「それは専門外だから・・・」とフリーズしてしまう。
これは本当にもったいないことだと、僕は思う。未来の世代にとって、テクノロジーと善き関係を築くことで拡がる可能性は計り知れない。しかしそこで情報技術がブラックボックスとして扱われてしまえば、目先の人的・金銭的リソースに対する多大な機会損失となる。文化、地理、政治、経済、倫理的な配慮なき科学技術の普及および利活用は、単なる投機だ。
そこで僕はいま、テクノロジーと社会のあいだでいち技術者として何ができるのかを再考している。そのための第一歩として、ニュースレター(メルマガ?)「Altruistic Byte」を立ち上げた。デジタル技術を“善い”かたちで普及・利活用するために何ができるのかを考えるための、事例集という建て付けだ。興味があれば、ぜひ購読・コメントいただけますと🙇
コロナ禍以来ずっと、こんなふうに世の中のテクノロジーのあり方に「?(クエスチョンマーク)」を突きつけるべく日々を歩んできた。同時に、僕らの暮らしはどうしようもなくテクノロジーによって支えられていることもまた事実であり、だから僕は「NO」とは言わない。10年間ずっと、僕はインターネットが怖い。それでも、それを理解しようと努めないことのほうが、もっと怖い。
僕の拠点は引き続き、カナダ・バンクーバーだ。しかし先の問題意識のもとで現場重視の姿勢をとるにあたり、2025年も多くの時間をアフリカ・マラウイで過ごすことになりそうだ。今はボランティアの枠を超え、マラウイ国内での顧客対応・潜在ニーズ発掘や、近隣諸国におけるビジネスの実態調査に時間を費やしている。活動に際して、コンサルティング、技術支援、執筆、講演など、さまざまな形でのパートナーシップを模索中。詳細はサービス一覧・問い合わせ窓口より。
振り返ると、2024年は随分とたくさん旅をした。ビジネスとプライベートをあわせて計19カ国を訪れ、52回飛行機に乗った:
しかし未だ、この美しくも複雑な世界の一員として、考えるべき課題は尽きない。
今年はもっと、他者とのつながりのなかで「一緒に」考えることができれば、とも思う。リモートでも、マラウイでも、日本でも、カナダでも。あるいは、3-4月にかけてロンドン(イギリス)、エルパソ(アメリカ)、カンパラ(ウガンダ)、ナイロビおよびモンバサ(ケニア)を訪れる予定なので、そのどこかでも。まずは雑談から、いつでもお声がけください。