話の種にDMM英会話を1ヶ月間やってみた1。1日25分×30日間で5500円。安い。方針は次のような感じ:
- 基本的にレッスンは朝、出社前に自宅で。たまに夜。寝ぼけてても酔ってても頑張る。
- ネイティブオプション(課金)は使わない。
- 講師はリピートせず、多様な人と話す。
- いろいろなレッスン内容を試す。
以下、自戒の念も込めつつこの1ヶ月を振り返る。
序
はてな民なんてここ数年ずっと、英語の勉強のやり方の勉強ばっかりやってる。
— 【英語スレ】ネットでただで勉強できる教材教えてくれ とか | ライフハックちゃんねる弐式
本記事は個人の感想をつらつらと書き連ねるだけのものですが、個人的にオンライン英会話は目的がハッキリしていれば『やらないよりマシ』だと思います。
その上で、1ヶ月続けてみて、『やらない方がマシ』な場合もあるのではないか、という想いがある。
続けるために
1日25分のオンライン英会話、そもそも毎日続かなければ意味が無いので、そこはがんばる。
忘れないように、レッスン終了後に翌日の分を即予約する。そして Google Calendar と連携させた Todoist に "8:00 DMM" と入力。
これは最重要なタスクのひとつとして扱うこと。何があってもその時間を死守して、“書き続ける”ことが大切 2。
何を話すか
レッスン内容はフリートークからオリジナル教材まで多彩。英検、IELTS対策もできる。TOEFLは無いのでそっちがよければレアジョブ推奨。
個人的には自分の考えを整理してアウトプット&会話をするのが好きなので、次の4種類のレッスンを複数回ずつ試した:
- フリートーク
- 自己紹介から始まっていろいろと雑に話す
- 基本的に当たり障りのない話題で終わるのでつまらない
- しかしこういう会話を切り抜ける力がソーシャルな人間になるためには重要…らしい
- 一度、相手がWebエンジニアだったときは異様に楽しかった
- デイリーニュース
- 実際のニュースの記事をもとにvocabulary, reading, quiz, discussionができる人気コンテンツ
- バックグラウンドがあるIT系ニュースは話しやすすぎるので避けて、世界情勢や経済のような馴染みのない話題を積極的に選んだ
- 割と楽しいけど、vocabularyや内容理解に時間が取られてしまい25分では足りない感じ
- 予習、復習までしっかりやってこそ活きるコンテンツだと思った
- 自分の意見を述べるdiscussionパートの質問はライティングの練習にも使えそう
- ディスカッション
- 体裁はデイリーニュースに似ていて、あるテーマについてvocabulary, reading, quiz, summary, discussionをする
- デイリーニュースよりも“教材”という感じがして個人的にはイマイチ
- これならデイリーニュースをやるかな、という印象
- テーマ別ディスカッション
- あるお題について同意・反対を主張しながら講師とディスカッションをする
- 教材には "Do you agree or disagree with the statement?" が5つほど並んでいるだけなので、必然的に講師とのアドリブな対話が多くなる
- なので個人的にはこれが一番好き
講師はピンキリ
フィリピンやセルビアといった国々の非ネイティブな方々と話すので、講師の英語も多様でおもしろい。かなりクセの強い英語を話す先生に "very good!" と言われたりダメ出しされたりしても、正直何を思えば良いのかわからないけど…。
指導の仕方も様々で、“先生”として優れている人とそうでない人の差が顕著にみられた。教材を淡々と進める人もいれば、こちらの回答を拾って会話を広げてくれる人もいる。
相手を motive するのが上手い人というのはいて、「今のは良かった!でもここをもう少し注意するともっと良いよ。」と言われると、なるほど、という気分になる。そういう講師のプロフィールをみると「地元で英語を教えています」とか「先生をやっています」みたいな人で、さすがと言える。
やってみて良かったこと
使わない道具は錆びる。なので英語に不安があるのなら、基本的にオンライン英会話は『やらないよりマシ』だと思う。安いし。
あと、人とお話するのは単純に楽しい。一人暮らしだと黙っていることが多いじゃないですか。その点おしゃべりはいい。気分が晴れやかになる。特に朝だと良い。
そして続けていれば、それは自信になる。おれだって英語しゃべれるぞー、みたいな。究極的には、(根拠がなくても)自信に満ちた者がコミュニケーションを制すると思っている。
悩ましいこと
でも本当に『やらないよりマシ』なんだろうか。手放しで、英語に悩む人みんなに薦められるだろうか。
社会人の朝晩の25分間というのは思った以上に貴重だ。それを英会話に充てるべきか否かは慎重に考える必要があると思う。
25分あれば何ができるか。たとえば:
- 自分の専門に近い(英語の)ポッドキャストを1エピソード集中して聞く
- 長い目で見れば十分な負荷のトレーニングやランニングを継続的に行う
- 1ヶ月たてば2冊くらい読み終わっているであろう程度の読書時間を確保する
- "Write Code Everyday" を(ゆるく)実践する程度のコーディング
- オンラインコースの動画を1ユニットだけ見る
- ...
まぁいろいろある。それらを差し置いて英会話をするだけの目的があるのなら『やらないよりマシ』だと思う。
実際、僕の場合はDMM英会話を始めてから、Courseraで受講していたオンラインコースの進捗が完全に滞った。今までそれに充てていた朝の時間を英会話に回したのだから当然だ。
時間は作るものだという話があるが、とはいえ有限だし、ちゃんと寝たいし、僕らはその中で手に入れた時間をネトゲのステ振り的に『やりたいこと』に割り振っている。
自分にとって英会話がどれだけ重要なのか、それを今一度慎重に考えたい。もしかしたら、僕のようなテキトーな雑談程度の使い方なら『やらない方がマシ』かもなぁ、なんて。
やり方の問題
あと、オンライン英会話の立ち位置を『やらないよりマシ』から『絶対やるべき』に昇華させるためには、復習、反復、録音 が必須だと感じた。
たとえばデイリーニュースをやるとして、その記事の内容やvocabularyは1日経てば忘れる。本気なら、復習と反復によって1つの記事を暗記するレベルまで使い古すべきだと思う。
具体的には、復習として教材中のquizに対する回答をライティングしてみたり3、同じニュース記事を翌日, 1週間後などにもう一度レッスンで使ったり。
そのためには、適切な指導をしてくれてリスペクトできる講師をちゃんと選ぶことも重要だと思う。特に英検やIELTS対策に使うのであれば、自分なら絶対にそんな講師を探してリピートする。
そして最後に録音。これはオンライン英会話に限らず使える最強のスピーキング練習法だと思っているので絶対取り入れたい。なぜか。
自分で出せない音は聞けない
という説があって、これは以前TOEFLのスピーキングの練習として 質問に答える(しゃべる)→録音して聞く→もう一度トライ を繰り返していたときに本当にその通りだと実感した。
みんなも一度適当に英語で自己紹介でもしてみて、それを iPhone のボイスメモとかで録音して聞いてみると良い。気持ち悪いけど、それが現実である。自分の英語が心地よく聞こえるまで繰り返そう!…などと書いてみるけど、耳が痛ぇなチクショウ。
ちなみに僕の場合は、下手にこなれてくると "you know, ..." と "actually" が異常に増える傾向にあり、お恥ずかしい。
オンライン英会話なら、Skypeの通話を録音して、自分の発言を振り返って、翌日, 1週間後にもう一度同じトピックでレッスンを受ける、といった具合かな。
しかしSkype録音、Callnote というアプリで何度か試したけど、ある日突然バグってSkype本体もおかしくなってレッスンが中断した経験があり、そこで断念した。なにかいい方法が無いものか。
で、結局これからも続けるのか
という話ですが、まず重要なのは、契約が自動更新されて既に先1ヶ月までレッスン可能な状態にあるということです。これだからsubscriptionモデルは…4。
仕方ないので、ここで書いた気付きを元に、良かった講師のおかわりや同一教材の反復を試しながらあと1ヶ月は続けてもいいかなという気分 5。オンラインコース受講やコーディングの時間が奪われる問題はあるが、生活を見直せばまだ無駄な時間もあるので、いけるでしょう。その先は未定だけど、現状『やらない方がマシ』だという見方が濃厚であり、解約(休会?)するんじゃないでしょうか。
まとめ
オンライン英会話、正直ナメてたけど、正しく使えば素晴らしい仕組みだと思った。カフェの隣の席で行われている英会話個別レッスンみたいなものを見ると「この1時間でいくら払って、効果はどれだけあるんだろう…」と考えてしまうけど…そこと比べるのは野暮かー。
1ヶ月を振り返ると、TOEFLのスコアメイクをしていたときに得た知見:
- 『複数のテキストを横断的にやるより、1つの“良い”テキストをボロボロになるまでやり込む』
- 『録音→確認→再トライ、というプロセス』
これらがいかに重要だったか、再認識できる。
そういえばTOEFLのスコアの有効期限が切れてしまったので、DMM英会話で対策しながらIELTSでも受けてみようかしら。有効なスコアは常にひとつ持っておきたい気がする。
1. 筆者のステータスは『TOEFL iBT(4回目)@テンプル大学3階、あと僕のTOEFL受験総括』を参照のこと。 ↩
2. 『できる研究者の論文生産術』の思想。書き続ける技術は、書くためだけのものではない。オンライン英会話を含む、あらゆることの習慣化において有益。 ↩
3. 本文のネイティブ音声があると自学自習には最高なんだけど…(要望)。 ↩
4. 一説では『スポーツジムの売り上げの7割以上が空払い』という話もある。 ↩
5. といいつつ、本日から2週間お仕事でUS出張につき、再開は2週間後です。ズコーッ。 ↩
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最終更新日: 2022-07-31
書いた人: たくち
Takuya Kitazawa(たくち)です。長野県出身、カナダ・バンクーバー在住のソフトウェアエンジニア。これまでB2B/B2Cの各領域で、Web技術・データサイエンス・機械学習のプロダクト化および顧客への導入支援・コンサルティング、そして関連分野の啓蒙活動に携わってきました。現在は主に北米(カナダ)、アジア(日本)、アフリカ(マラウイ)の個人および企業を対象にフリーランスとして活動中。詳しい経歴はレジュメ を参照ください。いろいろなまちを走って、時に自然と戯れながら、その時間その場所の「日常」を生きています。ご意見・ご感想およびお仕事のご相談は [email protected] まで。
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