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2020-01-01

“じぶん”の解像度を上げる

2020年、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

絶えず動いていた2019年は、何かとても大切なモノの欠片を手当り次第に拾い集め、ぼんやりと雑多な思考を紡ぐ日々だった。

それでも最後に少しだけ、以下のアウトプットを通して、欠片たちをつなぎ合わせるきっかけのようなものを掴むことができた。

つまるところ、それは「テクノロジー的な関心真に価値のある実アプリケーションの間の隔たりをいかにして埋めるかという問題に帰着していて、振り返ればこれまでもずっと同じようなことを考え続けてきた。

一言で『人工知能』といっても、その分野は結構たくさんに枝分かれして自然言語処理や音声処理、機械学習なんかがあったりする。(...) そういった人工知能関連技術が実用化されている現在の世の中を見て著者が言っているのは、UI革命こそが人工知能の本質だということ。 — 人工知能関連技術の発展、それすなわちUI革命 (2013)

手法がどれほど理論的に素晴らしいものであっても、実際にはそれ以外の部分に様々な困難が存在する — Treasure Dataインターンにみる機械学習のリアル (2016)

ルールベースで対応できる案件かもしれないし、自然言語処理という名の正規表現で十分なときだってある。(...) 同様に、「いい感じのホームページが作りたい」という要望に対して、完成したものがどれだけ最新の技術的なトレンドを取り入れていようが、お客さんにとってそんなことはどうだったいい。成果物の“ふるまい”が全てである。 — ルールベースは『人工知能』か (2017)

より“良い”推薦システムを作るために、機械学習の存在は必須ではない。UIで解決できる問題かもしれないし、ヒューリスティクスや non-personalized な推薦手法で十分な場合だってあるかもしれない。くれぐれも、この分野のアルゴリズム的側面だけにとらわれないことだ。 — 筋トレ、登山、昨今の推薦システムのトレンドなどについて話しました (2017)

「手法は可能な限りシンプルなところから始めるべきで、あなたが持ってきたステキなアルゴリズムは誰にも理解できないし、サービスの一部として容易にはスケールしない」 — Hivemall, Digdag, 自然言語処理, 機械学習などについて話しました (2018)

世の中にとってプラスになる、真に価値のあるプロダクトであるための前提条件、それは伝えるべき『ストーリー』を持つこと。そして、フィジタルなストーリーテリングを実現するための手段としてのデザイン、デザインに命を吹き込む道具としてのテクノロジー、という意識で開発に臨むことが大切なのだろう。 — ストーリーを伝えられないプロダクトの虚しさ (2019)

"Bridging a gap between scientific theory and real-world practice" はここ5年間の僕の重要なテーマだった。この背景には、インターネットに魅せられ、Web開発にのめり込み、科学的に高度なアルゴリズムをアプリケーションとして実装することの面白さを知り、一方でその難しさ・実問題とのギャップに困惑したという一連の体験がある。きっかけこそ古典的な画像合成アルゴリズムだったが、その後に出会った機械学習・データサイエンスという分野はまさにサイエンスと実問題が生々しく絡み合う素晴らしくエキサイティングな世界であり、だからこそ僕はファーストキャリアとして「データサイエンスエンジニア」を選択したのだ。

あれから3年。ずっと答えを探していた問題を解くカギは、もうすぐそこにある―『ストーリーを伝えられないプロダクトの虚しさ』『デザインエンジニアになろう』この2つの記事を書いた今、そんな感覚が強く手の中にある。2020年はこれを何としてでも現実のものとしたい。

さて、今年はこのような断片的な思考をつなぎ合わせる営みを通して、自分という存在の解像度を上げることが目標だ。

具体的には、それは思考の言語化を心がけるということ。どれだけ多くの素敵な経験や学びがあっても、無意識的に頭の中で塩漬けにしておくだけでは、僕はそれを酒の席での小ネタ程度にしか活かせない。それらを意識的に整理・言語化して、自分の頭の中を客観的に観察することではじめて点と点をつなげる準備が整うのだと思う1

当然、思考を絶えず有機的に巡らすためには、その言語化に加えて継続的な学びが必要となる。なにも無いところからアイディアなど生まれてこないのと同じように、インプットなくして新たな点を打つことはできない。ゆえに、腰を据えて学ぶ機会をこれまで以上に多く設け、その内容をアウトプットすることで知識の体系化も目指す。

このように意識的なインプット・アウトプットをある程度繰り返していくと、そこに共通項のようなものが見えてくるはずであり、ここまでくれば既に自分というものをかなり高解像度で捉えられているに違いない。すなわち2020年の目標の大部分は、インプットとアウトプットの連続による“じぶんの可視化によって達成されると言える。

可視化によって「自分にとって何が大切なのか」「どんなものが好きなのか」「それを実現するには何が足りないのか」といった情報が明らかになる。これを自分の中のものさしにすることで、究極的には選択と行動の最適化が可能になる。“じぶん”の解像度を上げる意義はここにあって、自身のモノの見方や考え方を鮮明に把握していればいるほど、僕らはより戦略的に、納得感を持って次の一歩を踏み出すことができるというものだ。

幸い、目の前には様々な選択肢が転がっていて、どれを選ぶも自分次第。しかしもちろん全部は選べない。そんな状況下で僕がこの1年かけて取り組みたいのは5年後・10年後の“じぶん”の具体化である。インプット→アウトプット→可視化→最適化というプロセスを経て、飽和気味で散らかってしまった2019年末時点での自分の頭の中を整理整頓できればと思う。

昨年はたくさんの素材を手に入れることができた。それをどう料理するか。そして紡いだ思考の糸をどのように織っていくか。きっとこれまで以上に、とてもとても大切な1年間になるだろう。

1. 毎日日記をつけていた時期や、毎週ブログを更新していた経験を振り返ると、当時は今以上に自分の頭の中がクリアだった。

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user Takuya Kitazawa (a.k.a. takuti) is an engineer working on machine learning, data science, and product development at Arm Treasure Data. Opinions are my own.